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尼崎 整体 | 瀬戸口療整院

尼崎にある気導術 整体の瀬戸口療整院の公式ブログ
体の痛みから心の痛みまでやわらげるための情報から、瀬戸口療整院の日々の出来事など・・・

末期がん患者との花見(58)

  医学は、知識を基本としますが気導術は心を基本とします。気導術 瀬戸口療整院


毎年、クリニックの近くで末期がん患者さんを囲んで花見をしています。
夏に抗がん剤を中止した58歳の肺がん患者さんが年末まで生きている確率は5%位かなと
思っていました。
しかし、年末の忘年会では一緒に酒を飲むことができました。
その時点では、春の花見だのは、確率0%だと思っていました。
「いくらなんでも無理やろな」と思いながら、花見のチラシを患者さんの部屋の壁に
貼っておきました。

果たして、花見の日まで患者さんは生きていました。

クリニック主催の花見に、患者さんは歩いて参加されました。
私の下手な歌の後に何とギターをひきはじめました。
両肺に大量の胸水が溜まっていることを誰もしりません。
「元気でのんきなオッサンがおるな!」という顔でながめています。
しかし演奏後は、汗びっしょりになって「もう、この世に思い残すことはないわ!」と
つぶやかれました。

患者さんの親友で61歳の方も同じ末期の肺がんでした。
わたしは、偶然、両者の主治医でした。
それにしても親友同士が同じ臓器の末期がんになるのは珍しい。
当初は、親友が患者さんの見舞いに来ていました。
しかし年が明けてからは、形勢が逆転っしました。
親友の方が、がんの進行が早く、寝たきり状態になりました。

昨年は、見舞われていた人が、年が明けたら逆に見舞っていた。
そして、あっという間に、親友はご自宅で旅立たれました。
患者さんも葬儀に参列しました。
二週間後に偲ぶ会があり、患者さんに誘われて私も出席し、また一緒に酒を飲みました。
「あいつ、追い抜いて逝きよった。。。」と患者さん。
「みんな、いつか逝くから同じだよ」と心の中でつぶやきました。

そうこうしている間に、桜も散り、大型連休に入りました。
さすがに、患者さんは自宅から出ることがなくなり、本格的な在宅医療となりましたが
、おしゃべりのほうは相変わらず達者でした。
私たちが訪問すると、いつも笑い声が絶えません。
絶対に無理だと思っていた大型連休も無事通過しました。

そのころから背中の痛みが強くなり、麻薬を増量。
衰弱は進む一方で、本当の終末期になっていきました。
そんな中、患者さんは59歳の誕生日を迎えました。
子供さんや訪問看護師、友人たちと誕生パーテイーをしました。
やはり、とてもうれしそう。

子供さんたちは、順番に泊まりはじめました。
私が支持したわけではありません。
子供たちから見ても終末期だと判断したからでしょう。
みんなでケーキを囲んで、歌を歌いました。
患者さんは2週間後、静かに旅立たれました。

抗がん剤治療を止めてからも八か月間仕事を続け、完璧な
終活をしました。
私たちと忘年会、花見、誕生日会まで楽しみました。
予想より半年以上は長生きされました。

あの時、ちょうどいいタイミングで抗がん剤を止めたからでしょう。
もし止めていなかったら、もっと早かっただろうと私は想像します。
抗がん剤の止めどきを、身をもって教えてくれました。

末期がんと共存しながらでも働けること、人生とは楽しむことであることを。
あれから、もうすぐ三年。
また花見の季節が巡ってきます。


              末期がん

がんが全身のあちこちに転移し、増殖、進行している状態。一般的には、もはや有効な治療法はない。
末期がん患者さんの余命はさまざまで、がんができる臓器によってかなり異なる。


              - 産経新聞より -  



























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[ 2013/03/15 10:07 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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瀬戸口 幸二です。

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