医学は、知識を基本としますが 気導術は心を基本とします。 気導術 瀬戸口療整院
飲み会や旅行には元気に参加できるのに仕事になると激しく気分が落ち込んで動けなく
なる。
勤労意欲を喪失した原因は自分の周囲の他の人間にあると考えるため堂々と休職する。
そんな「新型うつ」の症状を訴える若者が増えている。
いくつかの企業と契約をしてカウンセリングを行っている産業カウンセラーの見波利幸氏
が「明らかに違う鬱だ」と感じたのは2008年頃だった。
「それまでは、メンタル不調で私の元を訪れる人は、30代と40代が80%20代と
50代が10%ずつでした。
ところが2008年から20代の相談者が急増し、翌年には驚くことに20代だけで
90%と逆転現象がおきたんですよ」
その新型うつ病は症状が症状だけに周囲も「休業中に遊びとは!」と嫌悪しメテ“アも
「怠け病」のごとく強調した。
しかし、実は新型うつ病という病名は存在しない。
いわゆるマスコミ造語なのだ。
そして、この名称に苦言を呈する医師も少なくない。
6月に「新型うつ病」のデタラメ(新潮新書)を上梓した。
沖縄県豊見城市「なかまクリニック」の中嶋聡院長は、こう指摘する。
「新型うつ病」には、”うつ病”との言葉はついていますが、うつ病ではありません。
”抑うつ状態”を示す心因性の反応である「抑うつ体験反応」です。
例えば、腹痛は”病気ではなく「状態」のこと。
その状態をつくるのは中耳炎や胃炎という病気の場合もあるし単なる食べ過ぎの
場合もある。
これと同じように憂鬱な気分という状態にも”うつ病”の場合もあるし家族の死や離婚
など外からのストレスでの”急性の不安状態”や「抑うつ状態」の場合、あるいは失恋
など単なる落ち込みの場合もある。
中嶋氏は、従来型のうつ病は、もともとその人が素質として持つ身体的要因が引き起こす
ものであり、「上司に叱られた、とかで起こるうつ状態は、一般には、従来型うつ病には
該当しない」と考えている。
では、「従来型うつ病」と”新型うつ病”の違いはどのような点だろうか。
以下に、その特徴の対比を挙げてみよう。
「従来型うつ病」の特徴
1)中高年層に多い
2)几帳面で真面目な性格の人に多い
3)ひどく憂うつで何をするのにも苦痛になる
4)休養と薬物療法で改善しやすい
”新型うつ病”とされる患者に多い特徴
1)若者に多く男女差はない
2)自己中心的で他人のせいにする傾向がある
3)休養中に海外旅行をしたり、飲み会に参加したりするなど余暇活動では元気になる
4)休養と薬物療法だけでは慢性化することがある
医学的にもはっきりとした分類や定義がないため、専門家の間でも”新型うつ”をうつ病と
見なすかどうかは意見が分かれているというのは事実だ。
これをこのまま放置していれば将来大変な社会問題となることは
間違いないだろう!
- 週刊プレイボーイ 38号より -